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定期的な歯科受診のすすめ

福島市野田町の山田歯科院長の山田康友です。

開院して早くも半年が過ぎようとしております。

私も医院も地域の皆様、患者の皆様に育てて頂いております。

心から感謝申し上げます。

 

さて、久しぶりの更新になってしまいましたが、今回は定期的な歯科受診をお勧めするという内容で書いていきたいと思います。

 

当院でも、治療が終了し、定期健診に移行する患者さんが増えてきました。

なかには、「治療が終了したのに、なんで続けて通わないといけないの?」と疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。

結論を先に書きますと、歯科治療の成功のためには、定期的な受診が不可欠です。

歯科治療の特殊性がその理由で、具体的には次の2点です。

  • 生きている限り虫歯菌や歯周病菌と共存しなければいけない

菌と共存しなければいけないことは、常に病気の再発のリスクがあることを意味します。歯ブラシだけでは菌を落としきれないところや、そもそも歯ブラシが届かないところ(歯周ポケットの中や被せ物の段差や隙間の部分)は専門的に清掃する必要があります。病気が起きてしまった場合でも早期に発見できれば、簡単な再治療で対応可能です。

  • 人工材料で修復するので、材料の耐用年数等を考慮しなければいけない

車のすり減ったタイヤを交換するようなイメージです。すべての歯科材料は永久に持つわけではありません。人工歯がすべて壊れるよりも車検のように、早めに補修や交換をしたほうがいい場合があります。

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1970~80年代に既に、定期的なメインテナンスがないと歯周病治療は成功しないことが科学的に証明されています。

メインテナンスしたグループとメインテナンスしていないグループに分けて追跡調査した研究もあり、メインテナンスなしだと歯周病の進行は止めることができなかったという貴重な研究もあります。(敢えて貴重と書いたのは、現在ではこのタイプの研究は実施できないからです。メインテナンスをしない=患者の不利益とみなされて、医療倫理についての審査を通過できません)。このようにいくら治療を頑張ってもメインテナンスしないと歯周病治療が成功しないということは50年前の先人たちが、「人体実験」をしてくれてまで証明してくれたことです。わざわざ我々が自分の身で試してみることもないでしょう。間隔は3カ月に設定している研究論文が多いようですが、私は、90日ごとという間隔よりは、(多少間隔はずれても)定期的に通院して頂くことの方が重要だと思っています(私見です)。その方のリスクによっては、毎月通院が必要な場合もあり得ますし、6か月くらいに伸ばす場合もあるでしょう。お子様の場合は、夏休み、冬休みなど長期休みの度にという場合も多くあります。個人的には1年に一回はやや延ばしすぎかなと思います。

 

歯はプライスレスです。

人生、忙しい時もそうでないときもいろいろあると思います。忙しい時は、お口の中の清掃は後回しになり、また不十分になりがちです。忙しい時ほど、歯科を受診して頂きたいです。我々が代わりにお掃除をします。特に年配の方々は、口をそろえて、「昔から歯に気を付けておけばよかった」と仰います。歯(永久歯)は失ったら二度と生えてはきません。インプラントであっても、失った歯の代わりにはなるかもしれませんが、歯はそのものはいくら望んでも再生はしません。歯科受診は「人」によっては面倒に思われることもあると思います。行くたびにチクチク歯周病の検査をされ(ポケット検査は病気の初期検知には必須です)、1時間くらい時間が取られ、2~3千円くらいに費用もかかります。しかしながら、「歯」にとってはいいことばかりで悪いことは一つもありません。歯を維持するための必要なコストと考えて頂き、早い段階からの受診をお勧めします。現代の日本人は40歳くらいから歯周病が増え始めると言われていますが、39歳から急に歯周病が始まるわけでなく、もっと前からじわりじわりと始まっています。歯科を受診しようの思い立ったその時がいいタイミングです。

医療に100%成功はあり得ません。しかしメインテナンスを行うことで成功率を上げていくことは可能です。一般的には、軽度な(簡単な)治療のほうが成功率が高く、難しい複雑な治療のほうが成功率は下がるでしょう。特に重度の病気の歯の治療をした方は、歯は保存できたとしても、病気再発のリスクも一緒に残ってしまうということが多々あります。定期的に通院して頂ければ、我々がいち早く異常を見つけることができますので、早期対応ができ何とかなります。何とかします!!

いろいろ書いてきましたが、難しく考えなくても歯をクリーニングすれば単純にすっきりすると思いますし、歯の着色はとれるのでホワイトニングをしなくても、歯が若干白くなりますし、気分転換でもいいですし、エチケットとして通っていただいても問題ありません。その行動は、歯にとっては間違いなくプラスになり、きっと将来の自分が、過去の自分に感謝してくれると思います。

当院での治療でいえば、麻酔をして処置を受けられた方は一定のリスクがあると思いますので、定期的な受診をお勧めしております。予防歯科には、病気になるのを防ぐという意味と病気の再発を防ぐという意味の二つがあります。ぜひ、ご自分の歯を守るために末永く通院をしていただければ幸いです。

 

6月の開院時には多くのお祝いを頂きました。改めて感謝申し上げます。