福島市野田町の山田歯科の山田康友です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は、なぜ歯を磨かなくてはいけないか、について書いていきます。
皆様も、歯医者さんでよく言われるフレーズだと思います。
結論としては、ばい菌や汚れを落とすためなのですが、すこし深掘りしていこうと思います。
まず前提として、お口の中はとても菌がいっぱいいる場所になります。
そもそも菌が入ってきやすい場所であることに加えて、栄養分が食事のたびにどんどん入ってきます。
湿度は100%近いですし、温度も37℃くらいで一年中安定しています。
ヒトにとって心地よい環境は菌にとっても心地よいのです。
このように菌にとっては理想的な「培養庫」であり、数百種類の菌がいるといわれており、
肛門と並んで人体で最も菌が多い場所になっています。
理想的な環境では、菌は、倍々に増殖していきますが、多くの菌は、お口の中で悪さはできません。
歯茎や舌についたとしても、皮膚同じように、「垢」になって剥がれ落ちてしまいお口の中の長期間いられないからです。
そのあとは、唾液で流されて胃酸で殺されてしまいます。
ただし、歯にくっついてしまった場合は、
お口の中にとどまり続けてします。(歯や被せものは剥がれ落ちたりしませんので)
くっついた菌の中に、虫歯菌がいたら虫歯になってしまいますし、
歯周病菌がいたのなら、歯周病になってしまうのです。
ですから、歯ブラシでみがいて菌を取りのぞいてあげる必要があるのです。
菌のかたまりは、バイオフィルムと呼ばれます。
キッチンやお風呂のヌルヌルしたものものもバイオフィルムです。
余談ですが、以前は歯垢やプラーク(堆積物)と言われていましたが、これらは病原性を持つイメージがないということで、
近年はバイオフィルムという用語が使われるようになってきています。
ちなみに、糖分を多くとる方は、バイオフィルムはネバネバしやすいので、
歯にくっつきやすく病気により歯ブラシを頑張らなければいけません。
また、人によって、菌の構成割合には違いがあります。
ある人は歯磨きしなくても虫歯にならない一方で、ある人は歯磨きを頑張っても虫歯ができてしまうということもあります。
菌の構成は幼少期までに決まると言われておりますので、後から変えることはできません。
ばい菌がいっぱいいるとお伝えすると、とても気にされてずっとゴシゴシと歯磨きを頑張りすぎる方もいらっしゃいます。
しかし、残念ながらばい菌の数をゼロにすることは不可能です。
そもそも菌数をゼロにする必要はなく、虫歯や歯周病が起きないくらいの数の抑えてあげれば十分です。
できる範囲で磨いていただいて、あとは歯科医院に通院して頂ければ我々がきちんと磨き残しや、たまったばい菌をきれいにします。
歯磨きはとても大切ですが、毎日1時間を歯ブラシに費やすのなら、なにか別なことに人生の時間を使って頂ければと思っています。